障害年金をもらうためには3つの要件を満たす必要があり、また加入期間中に医者、歯科医師に診察をしてもらっている必要があります

初診日要件 

初診日(障害の原因となった傷病につき、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日)において、請求しようとする年金制度の被保険者である必要があります。障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金のいずれかを請求する場合、初診日に加入していた年金制度へ請求することになっています。

自営業やフリーターで国民年金へ加入されていた場合は障害基礎年金、会社勤めで厚生年金へ加入していた場合は障害厚生年金、公務員などで共済年金に加入していた場合は障害共済年金の請求をすることになります。

初診日の考え方

初診日とは障害の原因となった傷病につき、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことをいい、具体的には次の日が該当します。

1 初めて診療を受けた日

2 同一傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日

3 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日

4 健康診断により異常が発見され、療費に関する指示を受けた場合は健康診断日

5 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日

6 障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病がある時は、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日

7 先天性の知的障害は出生日

8 発達障害(アスペルガー症候群やADHDなど)は、関連のある症状があって初めて診療を受けた日

初診日は支給対象となる年金制度や支給額など、支給を決定するうえで非常に重要です。

初診日は医師の作成する診断書や受信状況等証明書によって証明されます。

しかし、最後の診療から5年以上経過していたりしているような場合ですと、医療カルテが破棄されていたりして、これを証明することが困難なケースがあります。

 

保険料納付要件

初診日が20歳未満到達日前にある方の障害基礎年金の請求や障害共済年金の請求を除き障害年金(障害基礎年金あるいは障害厚生年金)を請求するには、初診日が属する月の前々月までの一定期間、年金保険料を納付していたかが問われます。

保険料納付期間の原則

障害基礎年金、障害厚生年金を受給するには初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上あることが必要です。言い換えますと20歳到達日から初診日が属する月の前々月までの全期間のうち、3分の1以上が未納になっていないことが必要です。

20歳前に初診日がある場合

20歳前に初診日がある場合は国民年金保険料納付義務がありませんので、納付要件は問われません。

 

保険料納付要件の特例措置

以下のすべての要件に該当する場合は特例措置があります。

  • 初診日が平成38年4月1日前であること
  • 初診日において65歳未満であること
  • 初診日の前日において、初診日がある2カ月前までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと

 

 

障害等級該当要件

障害認定日とは症状が固定した日をいい、初診日から1年6カ月を経過した日又は1年6カ月以内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含みます。)をいいます。

障害認定日における障害状態が国民年金法別表、障害厚生年金保険法施行令別表第1第2に定める程度の障害状態にあるかどうかで障害等級が判断されます。

障害状態が障害等級に該当するかどうかは症状の程度のみならず、発病原因、治療経過、通院頻度や入院歴、主訴や診断名、日常生活への障害の程度などを総合的に考慮して判断すると記載されています。

 

障害認定日の特例

障害認定日には特例があり、下記の傷病については、1年6カ月を待たずに請求できます。

障害の内容認定日
咽頭全摘出の場合全摘出した日
人口骨頭又は人工関節をそう入置換した場合そう入置換した日
切断又は離断による機能障害原則として切断又は離断した日
脳血管障害による機能障害初診日より6カ月経過した日以後に医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるとき
精神系の障害で現在の医学では根本的治療方法がない疾病今後の回復は期待できず、初診日から6カ月経過した日以後において気管切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、胃ろう等の恒久的な措置が行われており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき
在宅酸素療法を行っている場合在宅酸素療法を開始した日
人工透析人工透析をはじめて受けた日から3カ月を経過した日
心臓ペースメーカー又はICD(植込み型除細動器)、又は人工弁を装着した場合装着した日
人工肛門造設尿路変更術造設日、変更術を行った日から起算して6カ月を経過した日
新膀胱造設造設日
人工肛門を造設し、かつ、新膀胱を造設した場合人工肛門を造設した日から起算して6カ月を経過した日又は新膀胱を造設した日のいずれか遅い日
人工肛門を造設し、かつ、完全排尿障害状態にある場合人工肛門を造設した日又は完全排尿障害状態に至った日のいずれか遅い日から起算して6カ月経過した日
人工肛門を造設し尿路変更術を施した場合人工肛門を造設した日又は尿路変更術を施した日のいずれか遅い日から起算して6カ月経過した日
遷延性植物状態障害状態に至った日から起算して3カ月を経過した日以降に医学的観点から、機能回復がほとんど望めないと認められるとき

専門用語説明

受診状況等証明書

国民年金法別表、障害厚生年金保険法施行令別表第1第2